ピスタチオ

最初は主人公が日本に戻ってきてからの話だったので、この物語がどういう方向へ向かって行っているのかまったくわからないものの、大きな勢いがある河のような、途中で読むのを止められないものがあった物語。
日本からアフリカに向かい、そこでまたどこへ向かうかもわかないまま話が展開して行く中で、最終的に辿り着くべきところに辿り着き、最後はこれがそうなのかと納得するものがありました。
文章としては淡々としているようで、全然淡泊じゃなく、でも熱いわけでもなく、不思議な雰囲気があるのだけれどとても良い物語でした。
主人公はアフリカに赴いてそこで取材をしていても、そこでなにかを活動しようという熱い情熱があるわけではなく、かといって事実から目を背けるわけでもなく、受け入れている姿勢が読んでいて読みやすいのです。多分、なにかしなければと熱く語られるとこういう物語は最後まで読めない気がする。
そこでどういうことが起きていて、過去、現在、未来が語られ、だからどうしようというわけではなく、ただそれを流れの一部として受け入れているだけの姿勢が良いのかも。
わたしは一生アフリカへは行かないかもしれないけれど、その国ではその国の時間の流れやルールがあり、それを受け入れることでそこに馴染んだり、なにかを見つけたり、通り過ぎていったりするのだろうと感じた物語でした。
この作家さんの物語は、そういう流れみたいなものが自然で、好きです。
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