Vanilla Letter

日々と読んだ本の感想の記録帖
「最後に二人で泥棒を」E・W・ホーナング/著
最後に二人で泥棒を―ラッフルズとバニー〈3〉 (論創海外ミステリ)

ラッフルズとバニーシリーズの三作目で最終巻。
今回はこれまでのラッフルズの活躍ぶりと、バニーの最後の挨拶といった構成でした。

二作目ではボーア戦争にラッフルズとともに参戦したバニーが、ロンドンに戻ってきてラッフルズのこれまでの活躍を語るというもの。
今回はバニーの恋人だった女性が登場したり、犯罪学者が登場したりするのですが、ラッフルズってあまりにも秘密主義というか、個人プレーが多い怪盗でした。他に仲間はいなのだから、もうちょっとバニーを信用して、せめてもう少し状況を説明してあげればいいのに、なんでもかんでも秘密にして進めてしまおうというところが悪い癖。
それでバニーが下手な演技をせずに済むという点では良いのでしょうけれど、なんだか読んでいるとバニーが可哀想になってきます。
さらにはラッフルズはバニーを残してボーア戦争を最後に姿を消してしまったのですから(死んだのかどうかは微妙ですが、死んだ模様。ただし、バニーはそれを信じていないっぽい)、酷い男です。
ラッフルズとバニーが通った寄宿学校が登場したりもしたのですが、ラッフルズはあまり模範生ではなかったようで、彼はさぞかし悪行のかずかずを寄宿学校の伝説として残したんだろうなという感じ。それを誤魔化すのも上手かったようですけど。
最後はバニーのかつての恋人からの手紙でしめくくられましたが、結局彼女は本当にバニーが好きだったのだろうかという疑問が。
このシリーズでは、ラッフルズの元恋人やバニーの元恋人が登場するものの、恋愛について詳しく語られることがないのですが、あまりその辺りはどうでもいい感じでした。
* 本/作家名《は》行 *
「またまた二人で泥棒を」E・W・ホーナング/著
またまた二人で泥棒を―ラッフルズとバニー〈2〉 (論創海外ミステリ)

「ラッフルズとバニー」シリーズの二作目。
一作目の最後で海の藻屑となったと思われたラッフルズが生還して、バニーとともに泥棒稼業を再開する作品となりました。

刑務所で刑期を終え、釈放されたバニーと、姿を変えてロンドンに戻ってきたラッフルズの再会と、二人がボーア戦争で兵士として戦うために南アフリカへと向かい、戦場でスパイの正体を曝くまでの話の流れでしたが、ラッフルズの泥棒としての手口は結構荒っぽかったりします。海に飛び込んだ後、ロンドンに帰ってくるまでの間も、イタリアで労働者として働いたり、マフィアに狙われたりと、波瀾万丈。あまり紳士的とはいえないような苦境に陥ったりします。
盗みを働くにしても、近所の家に忍び込んだり、忍び込んだ家にかつての恋人がいて正体がばれたりと、面倒事が満載です。
そんなラッフルズに付き合ってあげているバニーはお人好しなのか、単に生活に刺激が欲しいだけなのか、よくわかりません。諸悪の根源は間違いなくラッフルズなのに、それに巻き込まれて怪我をしたり大変な目にあったり。しかも最後は戦場まで付き合っていくのですから、感心します。
二人は盗みに入る際、たまに黒マスクで顔を隠すだけで、変装らしい変装もしません。いくらラッフルズは容貌がかなり変わっているとはいえ、それで大丈夫なのだろうかと心配になりますが、今回は逮捕されることはありませんでした。ただし、戦場では正体がばれてしまいましたけれど。戦場だからちょっと目を瞑ってもらえたということなのか、スパイを捕まえたから見逃してもらえたのかは不明。
泥棒の仕事が雑で、失敗も多い二人ですけれど、どちらもスポーツ感覚で盗みを働いているのと、あまり世間でこそこそと生きているわけではないところが気持ち良かったりします。
* 本/作家名《は》行 *
「シャネル」藤本ひとみ
シャネル

先日、オドレイ・トトゥがシャネルを演じる映画「シャネル」をTVで見たのですが、後半からしか見ていないので、前半はどういう内容だったのだろうと気になり、読んでみました。DVDを借りてくるのではなく小説で読むあたりが自分らしいのですが、本だといつでもどこでも読めるというのが、DVDではなく本を選んでしまいます。

フランスのデザイナー、ココ・シャネルの物語。
母親の死をきっかけにして、父親によって姉と二人で孤児を受け入れている修道院が併設している寄宿学校に入れられ、その後デザイナーと成功していく話。
あらゆる機会を利用して貪欲にのし上がっていこうとする姿はバイタリティーに溢れているのですが、近くにいてもわたしは友人としては敬遠するタイプ。ただ、常に成功しているかといえばそうでもなく、自分をただしく理解できておらず、歌手になろうと足掻いている時代もあり、彼女の人生の紆余曲折が描かれていました。
戦争中、他店が閉めている間も店を開いておくことで、お洒落を楽しみたい女性に商品を提供したり、香水をつくったり、シャネルというブランドを作り上げた人だけあって、機会に恵まれた人だったのだということもわかります。
様々な恋愛を経験し、別れを経験し、それを時には利用しつつ、独身で人生の最後は仕事に捧げたような女性として綴られています。

ガブリエル・シャネルが亡くなっても、彼女が作り上げたシャネルというブランドは生き続けるのですが、時代の寵児になるというのは貪欲さがなければならないのだということを感じます。
同時に彼女は、彼女を理解してくれている人にも恵まれているのですから、シャネルというブランドは彼女ひとりの努力によってなりたっているわけではないことも感じます。

第二次世界大戦という、女性が社会進出していく過程で服飾という方面から影響を与えたデザイナーの物語といえるかもしれません。
彼女の服が爆発的に売れた時代が終わっても、最後まで精力的に仕事を続けた姿勢には感服します。
* 本/作家名《は》行 *
「ざ・ちぇんじ!」氷室冴子/著 集英社文庫コバルトシリーズ
ざ・ちぇんじ!〈前編〉―新釈とりかえばや物語 (1983年) (集英社文庫―コバルトシリーズ) ざ・ちぇんじ!〈後編〉―新釈とりかえばや物語 (1983年) (集英社文庫―コバルトシリーズ)
《あらすじ》
姫なのだけれど男の格好をして育った綺羅君、男だけれど病弱で姫として育った綺羅姫。異母姉弟の二人は容姿がそっくりだけれど、性格は全く違う。年頃になり、綺羅の君は元服したいと父親に頼み込むが女であるからと当然ながら断られ、反抗して家出をするが・・・。
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* 本/作家名《は》行 *
「都会のトム&ソーヤ6 ぼくの家へおいで」はやみねかおる/著 講談社YA!ENTERTAINMENT
都会のトム&ソーヤ(6)≪ぼくの家へおいで≫ (YA!ENTERTAINMENT)
《あらすじ》
創也に誘われて家へ遊びに行くことになった内人。しかしそこは竜王グループが誇る強固で最新のセキュリティシステムに守られた要塞(のような家)だった上に、内人&創也VSセキュリティシステムに事態は展開し・・・。
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* 本/作家名《は》行 *
「ガリレオの苦悩」東野圭吾/著 文藝春秋
ガリレオの苦悩
《あらすじ》
女性の転落事件が発生。自殺かと思われていたが、他殺の可能性が出てきたため内海や草薙たちは捜査を始める。内海は犯人が何らかのトリックを使って、自分が被害者の部屋を去った後で死体をベランダから落としたのではないかと推理するが・・・。(「落下る」)
ガリレオシリーズの短編集。
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* 本/作家名《は》行 *
「聖女の救済」東野圭吾/著 文藝春秋
聖女の救済
《あらすじ》
IT関連会社の社長が自宅で死亡した。妻は実家へ帰省中。発見者は妻の弟子の女性だった。死因が亜ヒ酸による中毒であることから、捜査本部が設置された。内海薫は被害者の妻を疑うが、草薙は否定的で・・・。
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* 本/作家名《は》行 *

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