Vanilla Letter

日々と読んだ本の感想の記録帖
「幽霊伯爵の花嫁 -闇黒の魔女と終焉の歌-」宮野美嘉
幽霊伯爵の花嫁 -闇黒の魔女と終焉の歌- (ルルル文庫)

「幽霊伯爵の花嫁」シリーズの最終巻。
墓守という役目が誕生したいきさつと、そのきっかけになった魔女の復活、サアラの妊娠が重なりジェイクがマイペースな人々に振り回されて苦労する話でした。
ジェイクの父親クロードが幽霊として登場したり、アシェリーゼが夫と魔女の浮気を疑って情緒不安定になったり、エリオスはサアラの妊娠でヤキモチをやいたりといろいろある中で、サアラだけは一番普段通りだったように思います。
いろいろあったけれども、最終的にサアラの暴走で無事解決した感じ。
エリオスは少しだけジェイクに素直になれて良かったねという大団円でした。
予想通り、妹ができたジェイクはリオンを溺愛していました。やっぱり...。
エリオスのあの感情ダダ漏れ状態はアシェリーゼに似たんですか。実母はおっとりした感じですし、ジェイクはあのとおりしたしね。

まさか最終巻でジェイクの父親が幽霊となって登場するとは思いませんでした。
あれほどにアシェリーゼと完全に会話が噛み合っていない夫婦だったとは。
ジェイクとは似たもの親子でした。
エリオスもリオンも、クロードとジェイクには似ていませんが。
この先、ジェイクはいずれ死んだときは幽霊になってサアラとともに墓で暮らさなければならないのでしょう。
お幸せにという良い最終巻でした。
* 本/作家名《ま》行 *
「伯爵令嬢の華麗ならざる結婚事情 〜愛だけじゃたりない!〜」湊ようこ
伯爵令嬢の華麗ならざる結婚事情 〜愛だけじゃたりない!〜 (コバルト文庫 み 12-3)

借金を背負った伯爵令嬢と、倒産の危機に焦る若き銀行頭取が、利益を求めて政略結婚をしたところ、実はお互いが希望物件ではなかったことが明らかになる話。
タイトルは甘々な感じですが、内容は前の2作と同じくしっかりとしたところもあるものになっていて、面白かったです。
金貸しのジュジュがちょっとお節介で、でも身寄りのないアンナを心配していたり、結婚の世話をしてくれたり、必要なときはお金を貸してくれたりと、なかなかのいい人ぶりでした。
それ以上に、ヒロインが強い。
日々、肉体労働に勤しみ、お金を稼ぐことに意欲を燃やし、借金返済に奔走し、鎌を持って夜道を歩き、場合によっては鎌を振り回します。地に足を着けて生きています。しかも、出生が複雑であるにも関わらず、めげることなく両親が作った借金を返済するために頑張っています。
ちょっと周囲の気持ちには鈍いですけど。
アンナと結婚したジェラルドが、伯爵令嬢で王の庶子という看板に釣られて結婚したら借金持ちで、しかもお腹いっぱい食べることに熱意を燃やしている嫁にいろんな意味で悩まさせられている姿も面白かったです。
アンナが潜入先のオルセオと仲良く公園にいて買い食いをしている姿に嫉妬したり、オルセオが差し入れで持ってきた肉まんじゅうを食べてしまったり(食べ物の恨みってかなり根深いものが残ると思うのですが)、でもアンナには伝わっていないことがたくさんある感じ。
とりあえず、お腹いっぱい毎日食事が食べられるようになったら、アンナももう少しジェラルドの気持ちに目を向けてくれるかもね、という雰囲気でした。
頑張ってジェラルドにはアンナがお腹いっぱいになるように働いて欲しいものです。
アンナの異母兄に当たる王太子の腹黒さも良かったです。いろいろと裏で画策しているところもあるようですし、オルセオが嫌になるくらいの鬼上司っぷりなんでしょうね。彼と母親である王妃の会話がどんなものかも気になるところです。かなり吹雪な雰囲気でしょう。
アンナとジェラルドの関係はもう少し進展して欲しかったなという気もするのですが、続編も出るのでしょうか。出ることを期待します。
* 本/作家名《ま》行 *
「ビブリア古書堂の事件手帖2 〜栞子さんと謎めく日常〜」三上延
ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)

栞子さんが退院し、大輔がビブリア古書堂に復帰した後の、ビブリアでの古書の物語。
二作目で、今回は栞子さんが店に戻ったこともあり、前回のような安楽椅子探偵ではなく、買い取りに出掛けた先での話が半分でした。
今回も、わたし自身は読んだことがない本の話題ばかりでしたが。
「時計じかけのオレンジ」はタイトルこそ知っていますが、読んだことはありませんし、映画も観たことはありません。多分、この先も読む機会はあるかどうか。
福田定一「名言随筆 サラリーマン」は、司馬遼太郎の本名や、本名で出した本があるなんて知らなかったなーという感じです。司馬遼太郎はまだそれほど読んだことはありません。こちらはいづれ、という感じですが、
足塚不二雄の「UTOPIA」は、そういう漫画があるのか、という感じ。漫画もかなり高値がつくものはあるようですが、百万単位とは凄いです。
「クラクラ白書」は次の巻まで続きそうな流れです。
栞子さんの母親の話は次になってなんらかの進展があるのかどうか。
相変わらず栞子さんは、古本の持ち主について様々な事情を曝いてしまう、恐ろしい人です。その割に、買い取りに出掛ける際は、いろいろと自分の中でリハーサルをしていたりする面白い面もありますが、これまでどうやってひとりで買い取りをしていたのでしょうか。細いのに、大量の本を買い取ってひとりで車まで運べていたのだろうかという謎もあったりします。本だけはどれほど重くても持ててしまえそうですが。本よりも重い物は持ったことがない、と言いそうな人です。

栞子さんの母親についての話が出てきましたが、どうやら容貌こそ栞子さんとそっくりで、性格はかなり違う人のようなので、どのような展開になっていくのか楽しみです。
栞子さんと大輔の仲が進展するのかどうかも気になるところですが。大輔に向かって、結婚しないと宣言する辺り、ちょっとそれはどうかと思わないでもなかったです。
大輔は頑張って古書店巡りの運転手をするしかないと思います。
* 本/作家名《ま》行 *
「ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち」三上延
ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)

ビブリア古書堂という鎌倉にある小さな古書店を舞台にした日常系ミステリ。
様々な本に関わる人々の謎を、ビブリア古書堂の主人である栞子が(入院中のため安楽椅子)探偵となり、バイトの五浦大輔が助手となって解いていくというもの。
夏目漱石や小山清、クジミン、太宰治といった本が各話のテーマになっています。
読みやすくて楽しめました。
ただ、古書からここまで人の秘密や過去を暴いていってしまって良いのだろうかという気がしないでもないです。
栞子の洞察力と読書量は凄いのですが、あれだけのことが本から読み取れるのは、凄いことではあるのですが、人が隠していることも全部見えてしまっているので。栞子の場合、極度な人見知りなので、本から様々なことがわかったところで、それを人に喋ってしまったりする心配はないのですが。
本からさあざまなことを暴かれてしまうのは見透かされているようであまり気持ちの良いことではないので、栞子の推理もほどほどにしておいた方が良いのではと考えてしまいました。
そうすると、日常系ミステリである必要がなくなってしまいます...。

こういう本に関する小説やらエッセイを読むと、「わたしこの本、読んでない」「この本も読んだことない」「この本はタイトルすら知らない」ということになり、趣味・読書とはとても言えないレベルだと痛感します。
どれくらい読めば読書が趣味だと言っても良いのか、明確な線引きがあるわけではありませんが、いまの読書量では到底趣味の範疇ではないような気がします。
読まない人からすれば、週に1冊読むだけでも読書家らしいのですが。

太宰治の「晩年」の話は、いわゆる読書のための本ではなく、飾り用、保存用、もしくは所有していることに意味がある本なんですよね。
読まない本、というのはどうも本の趣旨とは違うような気がしてなりません。
もちろん、保管用の本というのもありますけれど、そもそも読むことを前提にしていないような書籍も世の中にはあるので、わたしは理解できません。
本は読まれてこそナンボ、と思っているので。
300万円出しても買いたい本というのもいいですが、100円でたくさんの人に読まれる本よりも価値があるものかどうなのか。
わたしは中身を読むことができれば良い人なので、太宰治の直筆があることにはこだわりません。
装丁で本を選ぶことはありますが。

先日、装丁家の方がTVに出ているのを見たのですが、本の装丁って、表紙からして「これは面白そう」と思わせるのが結構あります。
そういうのはたいてい外れないものです。
表紙で面白そうだと思えず、手に取らない場合もありますが、後になって書評などで「面白かった」というのを知り、手に取ることもあります。わたしが手に取らなくても、他の方は「これは面白そうだ」と思って読まれたりするのでしょうし。
太宰治は学生の頃に結構読んだのですが、夏目漱石はほとんど読んだことがありません。
いつか読まなければなーで次のステップに進めていません。
* 本/作家名《ま》行 *
「お友だちからお願いします」三浦しをん
お友だちからお願いします

三浦しをんさん曰く「よそゆき仕様」のエッセイ集。
どこら辺がよそゆきかというと、第四章はいつものしをんさんのテンションではなかったので、ちょっと物足りなさがありました。
やはりしをんさんのエッセイは、常にしをんさんの日常モードの内容がいいです。
新聞連載なのにこの日常モード、と思わないでもなかったですが。

一番最後の「イメージと実態」で福山雅治さんの「東京にもあったんだ」という歌の内容について触れているのだけれど、地方暮らしのわたしからすると、東京=23区というイメージが強かったりします。東京タワーとか、東京スカイツリーとか、浅草だの渋谷だの新宿だの。
なので、東京に畑や田圃があると聞くと「え?」と思ってしまいます。東京ってどこまでも都会で、コンクリートジャングルなイメージ。
イルミネーションが一晩中煌々と夜空を照らしていて、星空なんてまったく見えないイメージもあります。あんなにLEDで照らさなくても明るいよね、と言いたくなるくらい、深夜でも明るい不夜城が東京の夜って感じ。
東京も23区以外があるんだね、ということを久々に思い出しました。23区以外の東京は行ったことがないのですが。
クイズ番組でも、関東の地理の問題とか出ると、まったく答えがわからないわたしからすると、やっぱり東京=23区です。東京都町田市と言われても、それがどこにあるのかわかりません。ごめんなさい。

そういえば最近、なにかのドラマで都会の満天の星空のシーンを見て「都会なのにこんな星空があるんだ!」と思ったことを思い出しました。あれってなんのドラマだったった?と5分ほど考え(わたしはあまりドラマを見ないので、最近見たドラマと限定した場合は記憶を遡るのにそれほど時間はかからない)、「シャーロック」1stであることを思い出しました。シャーロックとジョンがロンドン市内を歩いていて、満天の星空が頭上で輝いているシーンがあったのです。ロンドンなのに!と思ったのですが、そういえば英国ってイルミネーションは厳しく制限されていて、ピカデリーサーカス以外はあまりイルミネーションとかないんですよね。確か、いまでも。
だったら満天の星空も晴れていれば見られるのかも。
いまでは霧の街ロンドンではないですし。
でもホームズものなら、いくら舞台がロンドンでも、霧の街であって欲しいと考えるのはちょっと無茶なのでしょうか。

しをんさん宅はやはりいまでもテレビは映らないのかな、とエッセイを読むたびに思います。
地デジとか……無縁?
* 本/作家名《ま》行 *
「ペンギン・ハイウェイ」森見登美彦/著 角川書店
ペンギン・ハイウェイ

小学四年生の「ぼく」が様々な研究をノートに日記のように綴っていく物語。
研究対象は歯科医院のお姉さんだったり、突如現れたペンギンの集団だったり様々なものなのだけれど、常に怒らず冷静に物事を観察する「ぼく」のこまっしゃくれた姿勢がなかなか可愛い。恋愛には少し疎いけれども。
次第にペンギンが現れる原因を「ぼく」なりに結論づけていくのだけれど、それをきちんと受け入れるだけの度量もあって、凄い小学生でした。
たまに大人ぶって、たまに子どもぶるところも良い。
「ぼく」の両親がまたなかなか個性的というか、理解ある人たちなので、面白い。
同級生たちもそれぞれ面白いというか、イマドキの子。

これまでの森見作品とは雰囲気が違い、内容も違うのだけれど、小学生の日記の話かと思ったらFTでSFだったという展開でした。これはこれで面白いのだけれど。これはやはり「恋文の技術」と繋がっているのでしょうか?
最後まで小学生が語る物語なので、児童文学ジャンルにしても良いのではないかという感じでした。
面白かったし、これなら小学生でも楽しめそうに思います。
小学生の「ぼく」の不思議な体験の話だけれど、ただの不思議ではなくて成長と研究と初恋の話でした。
* 本/作家名《ま》行 *
「破妖の剣6 鬱金の暁闇7」前田珠子/著 集英社コバルト文庫
《あらすじ》
母親の身体で目覚めたラエスリールは、セスランからかつて母が浮城に籍を置いていた頃の話を聞かされる。一方、アーゼンターラは紅蓮姫を携えて紫紺の妖主が整えた罠が張り巡らされた町へと向かっていて・・・。
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* 本/作家名《ま》行 *

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