Vanilla Letter

日々と読んだ本の感想の記録帖
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「帝冠の恋」須賀しのぶ
帝冠の恋 (コバルト文庫)

オーストリア帝国カール大公に嫁いだバイエルン王女ゾフィーと、ナポレオンの息子フランツの恋の物語。
恋とはいっても、須賀さんが書くヒロインなので、政治的にも手腕を持ち、権力者であり、恋によって身を滅ぼすタイプの女性ではありません。恋をしながらもしたたかに宮廷内で立ち回り、生きて、やがてはメッテルニヒをオーストリアから追放し、自分の息子を皇帝の地位に就けた女傑です。有名な「エリザベート」の姑でもありますが、宮廷を牛耳るためには、これくらいの人柄でなければならないのでしょうね。

ゾフィーの恋の相手であるフランツは、ナポレオンを父に、ハプスブルク家のマリー・ルイーゼを母に持つ美少年。生まれも育ちも良いけれど、ナポレオンが失脚して死亡したため、オーストリアの宮殿に幽閉同然で育てられた人です。病弱で、純真。フランスという国に憧れを抱きつつも、結局生まれた国であるフランスに戻ることもできず、ナポレオン二世と呼ばれつつもオーストリアで亡くなります。(三世はナポレオンの甥)
病弱で、肺病持ちだったために、軍人としての能力は持ちつつも病に倒れ、最終的には若くしてなくなるという人なのですが、生き急いだ感もあります。
一途にゾフィーを慕いつつも、出会った場所がすでにカール大公とゾフィーの婚礼を祝う舞踏会ということで、最初から人妻との恋。舞台が宮廷なだけに、なぜか不倫という印象が薄くもありました。
ゾフィーもフランツも、オーストリア帝国の政治の駒として、混乱したヨーロッパの政情に巻き込まれてはいくのですが、特にゾフィーはその政治力が強く、メッテルニヒという存在もあって、やがて女傑として頭角を現していきます。
夫のカール大公が政治家には不向きであったことも功を奏しているとは思いますが。
フランツとの恋と、やがてフランツの死という形での恋の終わりにより、ゾフィーは政治家としてオーストリア帝国に身を捧げる決意をするのですが、彼女はフランツとの恋がなければ、人生の後半を政治家として邁進しただろうかという疑問もあります。すべての原動力がフランツにあるわけではありませんが。

ゾフィーはどうしてもエリザベートの姑というイメージが強く、TVや書籍で見かける肖像画や写真も中年を過ぎたものばかりなので、美人という印象はありません。この時代のヨーロッパはどうも女性が政治手腕を発揮したイメージが強く、特に十九世紀は全般的に女性が強かった気がします。ヴィクトリア女王とかも同時代の女性ですし。

フランツとの恋がなくてもゾフィーは宮廷で政治家になりえたでしょうが、フランツが彼女を政治家としてのし上げた原動力のひとつであったことは間違いないと思います。
そして、この物語の半分は恋ではなく政治の話なのが須賀さんらしかったりします。
もちろん、政治を抜きにしての展開は有り得ないのですが。
これを読みながら、いずれ須賀さんが書くマリア・テレジアの話も読んでみたいと思いました。政治家としてハプスブルク家を再興した女傑マリア・テレジアの半生も波瀾万丈ですし。ほぼ8割は政治の話になるでしょうけど。
* 本/作家名《さ》行 *
「GOSICKs IV−冬のサクリファイス−」桜庭一樹/著 角川文庫
GOSICKsIV‐ゴシックエス・冬のサクリファイス‐ (角川文庫)
《あらすじ》
クリスマス前日の聖マルグリット学園では、リビング・チェス大会が開催されていた。大会に参加しないヴィクトリカは学園内でいつも通りの日常を送っていたが、そんな中、かつてグレヴィールがおかしな髪型になるきっかけとなった事件や、グレヴィールの部下の双子が常に手を繋いでいる羽目になった事件について、久城一弥に問われるままに語り始め・・・。
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* 本/作家名《さ》行 *
「GOSICK VII−薔薇色の人生−」桜庭一樹/著 角川文庫
GOSICKVII‐ゴシック・薔薇色の人生‐ (角川文庫)
《あらすじ》
冬を迎えた聖マルグリット学園でヴィクトリカは迎えに現れた兄グレヴィールによって、父ブロア侯爵がいるソヴレムへと連れて行かれる。後を追う久城一弥もまた、ソヴレムへと向かう。ブレア侯爵はヴィクトリカに、十年前に殺害された王妃ココ=ローズの事件を解くようにと命じるが・・・。
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* 本/作家名《さ》行 *
「身代わり伯爵の花嫁修業 I 消えた結婚契約書」清家未森/著 角川ビーンズ文庫
身代わり伯爵の花嫁修業  I 消えた結婚契約書 (角川ビーンズ文庫)
《あらすじ》
リヒャルトと婚約し、シアランに留まることになったミレーユ。将来の大公妃として花嫁修業を始めたが、男装をして第五師団でもそのまま働くことに。そんなミレーユに太后マージョリーは、前にミレーユがオズワルドと交わした結婚契約書を探すようにと告げ・・・。
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* 本/作家名《さ》行 *
「神の棘 I・II」須賀しのぶ/著 ハヤカワ・ミステリワールド
神の棘 1 (ハヤカワ・ミステリワールド) 神の棘 2 (ハヤカワ・ミステリワールド)
《あらすじ》
1936年、かつての幼なじみであったアルベルト・ラーセンとマティアス・シェルノが再会した。ナチス親衛隊保安情報部の曹長と、修道士という全く異なる立場にあった二人。兄・テオの死を調査し始めたアルベルトは、マティアスから兄の死の秘密を探り出し、修道院を追い込むことを目的としていて・・・。
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* 本/作家名《さ》行 *
「身代わり伯爵の誓約」清家未森/著 角川ビーンズ文庫
身代わり伯爵の誓約 (角川ビーンズ文庫)
《あらすじ》
ギルフォード大公との結婚契約書にサインをしたことから、結婚しなければならなくなったミレーユ。しかも、ギルフォードによって前日に過去の記憶を消されてしまった。一方、偽ギルフォードとの決着のために宮殿へと向かうリヒャルト。第五師団もリヒャルトに加勢するため、宮殿へと向かい・・・。
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* 本/作家名《さ》行 *
「身代わり伯爵の告白」清家未森/著 角川ビーンズ文庫
身代わり伯爵の告白 (角川ビーンズ文庫)
《あらすじ》
リヒャルトを助けるため、宮殿に潜入したミレーユ。ところが、ミレーユ姫を演じていたフレッドが姿を消したことから、今度はミレーユ自身がミレーユ姫として大公に近づくことに。ついにリヒャルトの敵であるギルフォードと対面することになったミレーユだったが・・・。
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* 本/作家名《さ》行 *

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