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百姓貴族 (3) (ウィングス・コミックス)

荒川弘さんの農業エッセイ漫画の三巻。
農家って体力勝負ですか、な話でした。

そもそも北海道農家の規模が、北海道以外とはまったく異なるため、レベルがよくわからないところがあります。 荒川農園は畑と牧畜の両方をされているので、一年中働いているということのようですが、畑は結構手広くやっているようなイメージがあります。
ただ、これを読んで、新たに北海道で農業をやってみようという猛者がどれくらいいるのかは謎ですが。
農業で安定経営ってなかなか難しいようですし、体力と運と博打精神が多少なりとも必要なのではないかと。

「銀の匙」は農業高校で勉強する高校生の話ですが、現在の農業の話ではあるものの、タイムリーな農業の話を必ずしも盛り込んでいるわけではない部分もあるのですが、「百姓貴族」は基本が荒川さんの農業従事時代の話なので、こちらも完全にタイムリーな話ではないようです。
ただ、24時間戦える体力がないと、農業はやっていけないという、タフさを求められる仕事であることはよくわかりました。
農家の嫁って、農家の婿以上に大変そう...。

花術師

オスロルという小さな町で暮らすリスカ。
普段は性別を偽り、男として店を切り盛りしている花術師だ。
ある日、リスカの店が何者かに襲われたことから、リスカの平穏な日常が一変することになる...。

ずーっと積読本になっていたのをようやく読了。
花術師という魔術師になり損ねたリスカと、リスカに助けられたことから彼女の護衛をするようになったセフォー。
それに、オスロルで起こる陰謀の物語でした。
リスカが普段は男性として生活していることや、花術師として満足に魔術を扱えない身の上であることなどが絡み、町で起きている事件に巻き込まれていくのですが、どちらかといえば身勝手な人々が多く、混沌と殺伐とした雰囲気が漂う町で、なぜリスカはこの町を選んだのかなというのが多少疑問ではありました。
ほぼ自力で身を守るすべがないわりには、明らかになにかよくないことが起こるであろう気配を匂わせているというのに、自らの失態でリスカが危険な目に遭う展開などは、予想どおりというものではありましたが、リスカが少年であることが前提で物語が進んで行く点は、ちょっと都合が良いような気も。
ただ、物語全体の流れとしては面白かったです。

騎士のフェイが、リスカが女性だとわかった途端に態度が変わるのはどうかと思いますけれど。
彼もいろいろと大変であることはわかりますが、あれはちょっと騎士としてどうなんだろうという感じです。
セフォーはきっとこれから大変だろうなという感じですが、それなりにリスカを振り回しそうでもあるので、好きです。
物語としては、次に続くような余韻を残しつつ、いまのところは続刊が出ていないのが残念。
リスカとセフォーの仲は、これから始まっていくという感じなだけに、もう一悶着あって欲しいところです。

菩提樹荘の殺人

火村シリーズ短編集。

未成年による事件の顛末の「アポロンのナイフ」は、結局アリスが会った少年は誰だったのか語られはしなかったのですが、多分指名手配されていた少年だったんだろうなという雰囲気です。
少年法とか法律は、詳細な内容を知らないのに下手に語るものではない、という気がしました。

「雛人形を笑え」は漫才師の話。 途中で相方を変えたコンビの片方が亡くなる話ですが、生き残った方の相方とは過去にアリスと会って漫才を見せてもらったことがあったとのこと。
で、アリスと火村の会話がなんだか漫才になってしまう話でもありました。

「探偵、青の時代」は火村がアリスと出会う前の話。 現在37歳の火村&アリスコンビですが、あとがきにもあるようにサザエさん現象で37歳固定の2013年なのでいろいろと弊害が...。
火村の過去になにがあったのかは、いずれは明らかになるのかもしれませんが、いつまでも明らかにならないような気もしてきました。
明らかになってしまったら、このシリーズは終わってしまうような気もしますし。

「菩提樹荘の殺人」はアリスの17歳当時の回想も含む物語。
事件そのものよりも、アリスの過去の話の方が「え?」という感じでした。
そろそろ消費税も上がりますし、火村も多少は禁煙した方がよいのではないかと。
そういえば、小説の登場人物でタバコを吸う人って減ってきている気がします。
それもまた時代の流れですが。

銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)

年末になり、実家に帰らない八軒は、年末年始に学校で行われているある行事に参加することになる。
さらに新年、豚肉ファンドからソーセージとベーコンの加工に参加することになり...。

年末の年越しそばと、新年の餅つきというイベントづくしで八軒の寮生活は充実したものになっていました。
更に駒場との再会もあり、今後は駒場の将来も少し違った道になりそうなので、どう展開していくのか楽しみです。
豚肉ファンドもソーセージとベーコンの加工に参加し、それを売るという過程まですべて経験することで、農業の新しい道を模索していく八軒の姿が良いです。
彼がこのまま生産から販売までを管理するような会社を起業することになるかどうかは不明ですが、エゾノーで様々なことを経験する中で、やってみたいことができるのは良いことだと思います。
いまはまだエゾノーという学校の中で体験できることをひとつでも多く経験し、八軒が将来生産者にならなかったとしても、彼の将来にまったくプラスにならないということはないはずですから。
八軒兄のロシア人妻の登場も面白かったです。 ソ連時代に不遇の生活をしたようですが、その経験があるからこそ八軒兄のすべてが受け入れられるように思います。
割れ鍋に綴じ蓋...。
これで八軒家がなにか変わっていくのか、楽しみです。
西川の大川先輩に対する容赦ない報復も笑えました。 最後のとどめの刺し方も凄かったです。
大川先輩、器用すぎるのに就職には向かないとは。 卒業式頃までに就職が決まることを願っています。
次巻は2月のバレンタインのようですが、どういう展開になるのか、楽しみ。

銀の匙 Silver Spoon 8 (少年サンデーコミックス)

エゾノー、秋から冬にかけての話。
現実は厳しいけれど、諦めなきゃいけないこともたくさん出てくるけれど、でも諦めたらそれで終わりだということをひしひしと感じる巻でした。

いっちゃんの甲子園という目標が絶たれたり、チーズ作りをしたり、豚の世話をしたり、酪農家の現実という壁があったりで大変な話なのだけれど、でもまだ本当の大変さを自分の身で実感してない八軒だからこそ、諦めずにやろうって言えることがあるんだと感じました。
そして、エゾノーの皆さんはよほどカニで儲けていらっしゃるらしい。
いつかいっちゃんが自分の牧場を持つことができればいいのだけれど。
アキと八軒の仲が少しずつだけど進展しているので、二人がどうなっていくのかも楽しみ。
アキの成績がどれほどのものかも気になるけれど...。

銀の匙 Silver Spoon 5 (少年サンデーコミックス)

「秋の巻」の2巻目。
今回はゴミ拾いで八軒が子犬を拾って、その犬の世話を引き受けてしまったり、エゾノー祭で馬術部がなにをするかを考えたり、という話。
「夏の巻」では食育の話でしたが、今回は八軒が自分の立ち位置を探す話になっていたように思います。
八軒は子犬を拾って、馬術部で飼ってはどうかとダメモトで提案して、それが周囲から受け入れられたことにより、少しずつ自分がどのように発言していけば良いのか、模索し始めているように見られます。中学時代までとは異なり、自分が意見したことに対して賛同してくれる友人や教師に囲まれ、協力してくれる人々とどのように付き合っていけば良いのかということが、まだ手探り状態ではあるけれど、彼なりに考え始めた時期でもあるように感じます。
それにしても八軒は、良い同級生や先輩、教師に恵まれています。
彼の周囲では、まずは自分が「こうしたい」ということに対して、「どのようにすればそれを実現できるか」ということを提案してくれる人々で溢れています。子犬を飼うえさ代にしても、常磐のちょっとしたアイデアで稼げましたし、犬小屋も先輩はすぐに作ってくれています。
エゾノー祭の出し物にしても、誰もが即座に「できない」とは言わず「実現するためにはどのようにすればよいか」と知恵を出し合って協力してくれます。
この、最初から否定せず、いかに「実現」に向かって努力をするかというのは、実際のところそう簡単ではないと思うのです。
もちろん、協力してくれる人がいるからこそ実現するのですが、誰もが協力を拒まず、一緒に頑張ってくれるというエゾノーの姿勢は凄いです。
努力だけではどうにもならないところもたくさんあり、それで生徒たちは皆、進路や将来に悩んだり、苦しんだりしているわけですが、それでも頭から否定する人がいないという素晴らしい環境。
楽しいことばかりではない高校生活のはずだけれど、それでもエゾノーは八軒にとっては新しい自分を発見する最適の環境になりつつあるように感じました。

次巻で、八軒がどんな活躍を見せてくれるのか、続きが楽しみです。

長い廊下がある家
火村シリーズの短編集。4作品が収録。
「長い廊下がある家」は詩的雰囲気が漂うところがこの作家さんらしい空気がある作品でした。
事件としては違う方向に展開していくのかと予測したのだけれど、よく考えたら短編ではそれはあり得ないだろうという推理でした。事件としてはそちらのトリックですかという展開。4作品中では一番長い短編です。
「雪と金婚式」は雪の上に足跡がついて・・・のミステリ。そういえばマリーの「金婚式」は子供の頃のピアノ発表会で弾いた曲だったとふと読みながら思い出しました。フランス語でのタイトルは今回初めて知りました。
「天空の瞳」は珍しくアリスが一人で警察に助言する話。火村がまったく登場せずに最終的に事件が解決するというのは珍しいといえば珍しいのですが(そしてきちんと事件が解決されていますし)、いつもは違う回答ばかりを導き出しているアリスが活躍しているのも面白かったです。こういう答えの出し方は、火村ではあまりない気もしますし。
「ロジカル・デスゲーム」はやっぱり確率としては1/2にしか思えないのですが、後から変更すると確率が変わるという話なのでしょうか。それともこれは確率の問題ではなく、選択に関する知能ゲームということなのか・・・。事件そのものよりも、理論がわかるようなわからないような、そんな感じの事件でした。それにしても火村、珍しく迂闊に事件の被害者になっています。


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